まず、最初に石澤さんは、南オーストラリア州アデレードを最初の土地に選びました。理由は気候が温暖なこと、人々が優しい、またオーストラリアでも屈指の治安がよいことからです。彼女はワーキングホリデービザを取得しているので、12週間まで語学学校に通うことができます。英語専門学校を卒業して、少し時間がたっていましたので、とにかく英語のコミュニケーション力のアップをはかるために、学校はフリンダース大学のIELIを選びました。ここでまず10週間の語学研修です。アデレードで空港出迎えに来てくれた運転手さんの英語に大きくカルチャーショック!彼らの話し言葉が早くてわからない。冷や汗が出た瞬間でした。学校の授業は日本で受けていた授業と同じスタンダードな英語の発音なのですが、時々ぶつかるオージーアクセントに、最初はずいぶん戸惑ったそうです。その他に苦労したのがやはり日本人同士の英語。オージーアクセントよりジャパニーズイングリッシュのほうが理解するのに大変でした。自分もよくわからない、相手もわからないで、最初しっちゃかめっちゃかなことになってしまいました。でも、日本人同士でも英語で会話するので、他の国の留学生も会話に参加しやすかったらしく、友達がたくさんできました。先生にも恵まれて、とても楽しく勉強できました。また、石澤さんはとてもよいホストファミリーに恵まれました。イギリスから移住されてまだ数年の家族ですが、お母さんがとても積極的な人だったため(少し厳しかったけれども)、日々、彼女や子供達と触れ合うことで、コミュニケーション力が伸びました。面白かったことは、お父さんです。彼は警察官なのですが地元で働いているからか、必要以上にオージー英語を使って生活をしています。石澤さんは最初、お父さんの英語が全然わからず悩んだそうです。ところが、彼は、イギリスから移住してきたばかりで、本当はとてもわかりやすい英語を話すのです。わかったときには大笑いでした。二人の子供達と一緒にボーイスカウトなど地元の活動に参加して、ホストの友達をたくさん紹介してもらいました。ホストママはボーイスカウトリーダーとしても中心に活動しています。本当にお世話になりました。滞在中から徐々にクリスマスのディスプレイが美しく整ってきました。夏のクリスマスもとても素敵です。アデレードの町はとても整地されていてわかりやすく、また近い将来、この街に絶対帰ってこようと思ったのはやはりホストや学校の先生の温かさが心にしみたからだと思っているそうです。
アデレードでの英語研修を終え、お正月の花火を楽しんでから、メルボルンに移動しました。今回はイラン人、オーストラリア人、日系カナダ人と一緒にシェアルームに住みました。この経験はいろいろなカルチャーを知るのに本当に面白かったそうです。日系カナダ人の友達は、顔はまったく日本人なのに(当たり前ですが)、行動はまったくカナダ人。そのギャップに驚いたそうです。ここでは日本食レストランでアルバイトをしました。レストランのオーナーの子供達の面倒を見ることもしました。時給はとてもよくなかったそうですが、いろいろな人に出会って、また日系企業の駐在員の人たちにもかわいがられて、どうにか頑張れたそうです。実はここでメルボルン・ラ・トルーブ大学に通うボーイフレンドと出会いました。彼は大学でコンピューターの勉強をしていたのですが、母国語のスワヒリ語を教えてもらったり、まったく違う文化を楽しむことが出来ました。ボーイフレンドは、今でもよく電話をくれるので英語力を落とすわけにはいかないとあせっているそうです。国際電話用に格安の携帯電話も購入したそうです。
メルボルンに別れを告げて、今度は体力勝負の仕事をしようと、ケアンズに移動しました。(実は、石澤さんに聞くまでオーストラリアでバナナが名産とは知りませんでした。)
ケアンズではバナナの葉を剪定するという農場での作業につきました。毎日、朝6時に集合してトラックに乗ってバナナ農場へ行きます。雨の日も風の日も毎日バナナの葉を剪定します。週末にはボスが「バナナをお土産に好きなだけ持って帰って」というのですが、最初はおいしかったバナナも最後はもう、ちょっといっぱいいっぱいという感じでした。お休みの間に訪れたグレートバリアリーフには感動しました。このバナナの葉の剪定作業のアルバイトはヨーロッパ系の人たちが多く、ここでは中央アジアの人々やドイツ人などたくさんの友達に出会いました。疲れた身体でもそこは若者。とても生活が楽しかったそうです。
最後の土地、パースでは友達のおうちを訪ねました。ここではRottnest Islandで出会った動物達が印象的だったそうです。動物達が、おいしそうに松の実を食べているので、どんな味なんだろうとかじってみたら、中は松やにで、とても苦く嫌な味でした。オーストラリアは本当に動物達の楽園です。カンガルーをはじめとして独特の動物達が自由に生きている感じがありました。パースも空も海も水色というかとても青く、とても美しい都市でした。
乗り換えでシドニーも訪れたそうですが、シドニーは都会の印象が強く、オペラハウスなど美しかったけれども、長く住むのにはやはりアデレードがいいなぁという印象をもったそうです。
その他、オーストラリアで印象に残ったことのひとつには、アボジリニの人たちとの交流です。ディジュリドゥと呼ばれる世界最古の管楽器にチャレンジしてみました。石澤さんは才能があるらしく、かなりよい音色が出せると先生が驚いていたそうです。カンガルーの飛ぶリズムにあわせて、さまざまな音を出す練習をしてみたそうです。オーストラリアにはたくさんのアボジリニの人たちがいましたが、本来呪術など特殊な文化を持つ彼らは、文明社会の中で行き場所がなく、ちょっと困っているような感じを受けたそうです。
石澤さんは今回の経験を通して、日本人留学生に対して思ったことがあります。日本人はとにかくパーフェクトに話そうとばかりして、他の国の人たちがいろいろ話していてもあまり輪の中に入ろうとしない人がいるそうです。文法書を片手に、後から、「あっそうか。あの時はこういう風に言えばよかったのか。」「あの時はこんなことを言ってたんだ。」これでは友達ができません。よくワーキングホリデーに行って1年間海外で滞在していても、英語はまったく伸びなかったという話を聞くけれども、ああ、これが原因なのか、と思ったそうです。日本人同士では結構おしゃべりな明るい人が、本を持ってこもってしまい、外国人や地元の人たちからの話しかけを拒否しているような姿を見ると「なんでもいいから話すべし!」と肩をゆさぶりたくなったそうです。ちなみに石澤さんだってそんなに英語が話せたわけではないのですが、持ち前の明るさと友達をつくろうって思って頑張ったんですよ。
これからオーストラアを訪れる人に石澤さんからプチアドバイス。オーストラリアでは、各都市に地ビールがあります。(もちろん、20歳を過ぎてからの楽しみです。)地ビールは、それぞれの気候に合わせて造られているようで、喉越しがさわやかだったのはアデレード、パースのビールはちょっぴり苦い大人の味。ケアンズのビールもおいしかったそうです。アデレードは気候が地中海性のため、いたるところにワイナリーがあり、とても品質のよいワインが造られています。おいしいワインを、信じられないような安い値段で楽しむことができるそうです。ぜひ、いろいろな都市で飲み比べを楽しんで下さい。
石澤さんは、帰国後、再度の留学を目指してすぐにアルバイトをはじめました。今度はアデレードでサーティフィケートコースに入ってビジネスなど資格の取得を目指すそうです。オーストラリアではTAFEと呼ばれる専門学校、大学などでさまざまな実践的なプログラムが行われています。半年、1年間、2年間など期限を限っての資格取得ができます。今回お世話になったいろいろな人々にお礼を込めて、絶対留学の夢をかなえると力強くお話されました。ACEJでも彼女のこれからを一緒に見守っていきたいと思います!
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